umulin
Novel Approach to Treat Infertility

ウムリンの基礎研究

和歌山県立医科大学で細胞レベルでの成分同定が進む
梅抽出物ウムリン。その研究内容についてご説明します。

Study 01

不妊症に有効な
ウムリンの活性成分の探索

卵巣顆粒膜細胞(培養細胞)を使用し、 梅に含まれる
不妊症に有効な活性成分の探索が進んでいます。

 ウムリンは梅酢から特殊製法で抽出加工した、妊活に有効な成分の複合体です。(特許取得済み)原料の梅酢と比較して成分が変化していることが分かっています。その変化している成分中から、まずは細胞レベルで卵巣顆粒膜細胞に有効な成分の探索を行っています(現在進行中)。
 卵巣顆粒膜細胞を健康に保つウムリン中の物質を特定し、その作用機序が解明されてきました。

ウムリンのみに見られる成分(矢印)

ウムリンのみに見られる成分(矢印)

青色のラインがウムリン。ウムリンのみに見られる成分が確認されています。不妊症に有効な活性成分の探索

不妊症に有効な活性成分の探索

不妊症に有効な活性成分の探索

卵巣顆粒膜細胞(培養細胞)を使用し、梅に含まれる不妊症に有効な活性成分を探索します。

有効成分の探索

有効成分の探索

酸化ストレスによる細胞死に対する梅抽出物の保護効果を指標として有効成分の探索を行いました。

細胞死を抑制する物質をウメ種から
単離・同定

単離・同定

3,4-dihydroxybenzaldehyde(3,4-DHBA)という成分が特定されました。

有効成分の探索

有効成分の探索

酸化ストレスによる細胞死に対する梅抽出物の保護効果を指標として有効成分の探索を行いました。

卵巣顆粒膜細胞の細胞死予防効果を指標に成分分画を繰り返した結果、46.8g の梅抽出物にわずか 2.4mg 含まれる 3,4-DHBA という活性成分が細胞死予防効果を発揮していることが判明しました。 3,4-DHBA に関する更なる働きは次項で説明します。

出典:宇都宮洋才博士研究資料

Study 02

酸化ストレスと糖化ストレス

卵の質を低下させる「酸化ストレス」と不妊原因の一つであるPCOSに関連する「糖化ストレス」に対するウムリンの有効性についてご説明します。

 ウムリンに含まれる有効成分3,4-DHBAには活性酸素種(ROS)が関与する疾患に対して、その高い抗酸化力のため、医学的有効性があると報告されています。
 この抗酸化力により、3,4-DHBA には不妊症と関係の深い顆粒膜細胞の細胞死を抑制する効果があると考えられます。また同じく不妊症の原因となる「糖化ストレス」との関係についても調べました。

1.酸化ストレスからの細胞保護効果

有効成分3,4-DHBAのDNA酸化損傷抑制効果

酸化損傷抑制効果

梅成分 3,4-DHBA が多く入るほど、酸化ストレスが減少することが確認されました

梅成分3,4-DHBAの細胞死抑制効果

細胞死抑制効果

梅成分 3,4-DHBA が多く入るほど、アポトーシス細胞(緑)と死細胞(赤)が減ることが確認されました。

梅成分3,4-DHBAは培養細胞の変性と死の抑制効果

培養細胞の変性と死の抑制効果

アポトーシスに典型的な細胞の萎縮、核の凝集を、梅成分3,4-DHBAは抑制しました。

 実験結果により、3,4-DHBAは酸化ストレスによるアポトーシスを抑制し卵巣顆粒膜細胞を細胞死から保護することが分かりました。このことにより卵の質は守られることから、ウムリン摂取は不妊治療に有効であると考えられます。

2.糖化ストレス抑制効果とPCOS患者の卵質改善

 体内で血糖値が高い状態が続くと、タンパク質と糖が反応(糖化反応)して AGEs(終末糖化産物)が作られます。 AGEs は多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の患者に多く見られ、PCOS 患者の卵子の質が悪いことの原因の 一つと考えられています。そこで、ウムリンとこれまでの研究で有効であった 3,4-DHBAの糖化抑制作用を調べました。

糖化反応抑制試験

糖化反応抑制試験

タンパク質と糖に umulin 有効成分を添加し、糖化反応が起こるかどうか実験をした。

試験結果

糖化反応抑制試験

umulin の DCM 抽出物と W75M 抽出物、3,4-DHBAに糖化抑制作用が認められた。

 ウムリンのDCM抽出物とW75M抽出物、 3,4DHBA に糖化抑制作用が認められたことから、 ウムリン摂取によりAGEs産生抑制作用が期待されます。その結果、ウムリン摂取は糖化ストレス抑制につながり、PCOS患者の卵質改善に有効となる可能性があります。
 今後は、実験動物をAGEsが産生されるような条件下で飼育し、梅成分が糖化抑制に寄与するか調査を続けます。

出典:宇都宮洋才博士研究資料