ウムリンの臨床研究
抗酸化作用のある特定の梅抽出物がヒト卵子にも
有益ではないか?という仮説から臨床研究が始まりました
Study 01
不妊症と梅の交わり
ウムリン誕生のきっかけは特定の梅抽出物により
鶏の産卵率・卵質の向上が明らかとなったことでした。
特定の梅抽出物ウムリンを与えて育ったニワトリの生存率・産卵率の向上・卵の卵質の向上が認められ、このニワトリ、および卵は「紀州うめどり」「紀州うめたまご」としてブランド化されました。
試験では産卵率が高くなり、飼料要求率・規格外卵率はともに減っていました。鶏の健康状態が生殖機能にも及んでいると言えます。
梅有効成分添加によるニワトリの生存率

精製度が高い程、生存率が向上することが分かった。
梅有用成分添加によるハウユニット推移
(180~480日齢)

卵の鮮度の指標で白みの盛り上がり度合いを示すハウユニット値は、日齢が 進むと低くなってくる他、夏の暑さなどによっても影響を受けます。
特定の梅抽出物を与えると老化によるハウユニット値の低下が抑えられ品質を保ちます。
梅有用成分添加による葉酸濃度の変化

特定の梅抽出物を添加したうめたまごは、葉酸濃度が30%増加しました。
上述のように、ニワトリの生存率・産卵率・卵質向上において梅抽出物のさまざまな効能が明らかとなりました。一方、わが国で進む晩婚化にともなう不妊率の上昇は社会問題になっており、抗酸化作用のある梅がヒト卵子にも有益ではないか?という仮説からヒトを対象とした研究がスタートすることとなります。
出典:宇都宮洋才博士研究資料
Study 02
レディースクリニックでの臨床試験
特定の梅抽出物による卵子老化抑制に関する
試験内容とメカニズムについてご紹介します。
晩婚化に伴ない、不妊率は上昇の一途をたどり、不妊に悩む夫婦は6組に1組と言われています。不妊治療に取り組む患者の高齢化も進み、加齢に伴う卵子の老化、卵子数の減少が無視できない問題となっており、不妊治療の大きな障害となっています。
卵子の老化は酸化ストレス(卵子の錆びつき)によるところが大きいとされています。
良好な卵子が得られないと、体外受精-胚移植・顕微授精による生殖補助医療(ART)でも妊娠できない事例が増えることから、良好な卵子を得ることが何より大切であると言えます。
抗酸化作用のある特定の梅抽出物umulinがヒトの卵子の老化対策にも有益ではないか?という仮説から、レディースクリニックとの共同研究が始まりました。

臨床試験が行われた不妊治療専門クリニック
研究の背景
加齢による卵子数と不妊率

女性の生殖能力は20代後半から低下し始め、30代後半になると加速度的に低下します。
ART妊娠率・生産率・流産率2014

加齢とともに妊娠率は低下し、流産率は上昇します。
梅抽出物を投与することで加齢による酸化ストレス(卵子の錆びつき)を抑制し、良好な卵子を育て、妊娠率の向上に役立てられないかとの観点から臨床研究が始まりました。
対象・方法
以前から当院や他院でARTを施行し、良好胚の得られない反復不成功例 18 例(33歳~43歳、平均年齢 39.2 歳 )に対して、DHEA(dehydroepiandrosterone)を 50mg/day でART周期の2か月前から連日投与し、IVFまたはICSIを施行しました。上記 18 例のうちDHEAを服用後も妊娠に至らなかった症例のうち同意の得られた 9 例に対し、DHEA 50mg/day と脱塩濃縮梅酢(梅:UMULIN®) 12ml/day をART周期前の2か月間服用させ、IVFまたはICSIを施行しました。何も服用しなかった周期とDHEA服用周期、DHEAと梅服用周期、それぞれの採卵前HCG投与日の血清 estradiol(E2) 値、採卵数、受精率、妊娠率について検討しました。
治療成績


各投与段階前の平均採卵数と血清エストラジオール値は治療周期が経過するため減少していることが確認されました。

受精率では無添加よりもDHEA、DHEAのみよりもDHEA&梅抽出物(ウムリン)のほうが有意に高くなりました。

無添加周期では顆粒膜細胞の変性、細胞死が見られた一方、DHEA&梅抽出物周期では顆粒膜細胞がき れいなまま推移しました。

同一人物の顆粒膜細胞。無添加周期では変性胚が見られた一方、DHEA&梅抽出物周期では顆粒膜細胞が正常化して受精卵も良好に発育しました。
梅単独周期の臨床研究も進行中
10症例:29歳~41歳(平均年齢 35.6歳) に対し治療周期の2か月前から梅(梅:UMULIN®) 12ml/day を投与の後、体外受精を施行しました
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10症例中6例が妊娠成立、4例が無事出産成功
結果・考察
- 難治性不妊患者にDHEAと梅を投与することにより平均受精率、妊娠率が有意に向上しました。
- 梅投与によりDHEA単独投与で妊娠しなかった9症例中5症例に妊娠が成立しました。
- 別の不妊患者集団でも梅単独で10症例中6例に妊娠成立しました。
難治性不妊患者に対して梅を投与することにより卵の質が改善し不妊治療成績を改善させる可能性があることが示唆されました。
梅抽出物による卵子の老化抑制メカニズムの考察

通常、卵子の成長に重要な役割を果たす顆粒膜細胞は酸化ストレスによりアポトーシスを起こしますが、梅抽出物はこれを保護する働きがあると考えられます。
梅成分3,4-DHBAを用いて酸化ストレスによる細胞死に対する効果を検討


梅から単離・同定した梅成分 3,4-DHBA は DNA 酸化損傷を抑制することが明らかとなりました。

さらに梅成分 3,4-DHBA は細胞死を抑制することが明らかとなりました。
上述のように、梅抽出物に含まれる 3,4-DHBA は酸化ストレスによるアポトーシスを抑制し顆粒膜細胞を細胞死から保護することで卵子の老化を防ぎ受精率の上昇に寄与することが示唆されています。これは 3,4-DHBA の強い抗酸化作用によると推察されます。
また、3,4-DHBAはエストラジオール分泌を促進することにより、顆粒膜細胞と密接にかかわる卵の質の向上に寄与している可能性が示唆されています。
臨床試験後も、現場では研究が続いており、現在200を超える症例データが蓄積されております。
出典:宇都宮洋才博士研究資料
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